【令和7年法改正対応】本店移転で管轄法務局をまたぐ場合の登記手続きと印鑑届出の注意点
会社の本店を移転する際、移転先が現在の法務局の管轄外となる場合には、登記手続きが大きく変わります。これを**「管轄外移転」といい、定款変更や株主総会の特別決議に加え、登記申請も旧・新両方の法務局への「経由同時申請」**が必要になります。
株式会社において何らかの重要事項を決定する際、意思決定機関として「取締役会」があるか否かで、決議の方法や必要な手続きが大きく異なります。とりわけ「取締役会非設置会社」では、法律上取締役会に委ねられていた決議事項の多くが株主総会の決議によって行われることになります。
しかし、実際にどの事項が株主総会で決議すべきか、またそれが普通決議で足りるのか、特別決議が必要なのかといった点は、条文を一つひとつ確認しなければならず、実務において迷いやすいところです。
本記事では、取締役会非設置会社において株主総会で決議を要する主な13項目について、会社法の条文をもとに決議の種類ごとに整理しました。実務担当者や司法書士、行政書士、法務担当者の方にとっても参考になる内容ですので、保存版としてご活用ください。
目次
1. 株主総会の決議とは?(普通決議と特別決議の違い)
株主総会の決議には、大きく分けて以下の2種類があります。
特別決議は、定款変更や組織再編など、株主の権利に大きく影響を与える事項に用いられます。
2. 取締役会非設置会社で株主総会が必要な13項目一覧
取締役会を設置していない株式会社では、以下の13の議題については、株主総会の決議が必要になります。取締役会設置会社であれば取締役会で完結するこれらの項目も、非設置会社では株主による意思決定が求められます。
※13項目だけではありません。主要なものだけを取り上げてます。
3. 各項目の決議区分と根拠条文の詳細
以下の表に、各議題について必要な決議の種類と条文をまとめます。
4. 決議の定義と成立要件の解説
以下に、普通決議と特別決議の成立要件を再度整理します。
5. まとめ:条文の確認と実務対応のポイント
取締役会非設置会社における意思決定は、取締役会設置会社に比べて株主総会の役割が大きく、決議要件の理解が不可欠です。特に注意すべきポイントは以下のとおりです。
おわりに
会社法の運用において、条文を正確に把握することはもちろん、実務に即した形で手続きを整理しておくことが重要です。本記事の一覧表と解説を参考に、自社の会社運営体制に応じた適切な決議運営を行ってください。
特に専門家に相談をすることは、正確な会社運営の一助となります。
会社の本店を移転する際、移転先が現在の法務局の管轄外となる場合には、登記手続きが大きく変わります。これを**「管轄外移転」といい、定款変更や株主総会の特別決議に加え、登記申請も旧・新両方の法務局への「経由同時申請」**が必要になります。
会社の本店移転に関する登記手続きは、移転先によって必要な準備や決議が大きく異なります。特に、本店を「市区町村」単位で越えて移転する場合は注意が必要です。このような移転では、定款の変更が必須となり、株主総会での特別決議も求められます。
また、移転先が現在の法務局の管轄外にある場合には、さらに手続きが複雑になります。
会社の本店を移転する場合、法務局での「本店移転登記」が必要になります。特に、同じ市区町村内など同一法務局の管轄内での移転であっても、登記の内容や手続きは一律ではありません。
重要なのは、「定款の記載内容がどこまで詳細か」と、「移転先が定款の記載範囲内かどうか」です。これによって、定款変更の要否や、取締役会決議・株主総会決議の必要性が変わってきます。
株式会社において何らかの重要事項を決定する際、意思決定機関として「取締役会」があるか否かで、決議の方法や必要な手続きが大きく異なります。とりわけ「取締役会非設置会社」では、法律上取締役会に委ねられていた決議事項の多くが株主総会の決議によって行われることになります。